漸進的筋弛緩法

全身の筋肉にいったん力を入れてからゆるめ、
その落差で身体の緊張をほどく方法です。

どんな方法?

漸進的筋弛緩法は、体の筋肉に力を入れてから、一気にゆるめる方法です。 1920年代にアメリカの医師エドモンド・ジェイコブソンが考案しました。 英語では Progressive Muscle Relaxation、略して PMR と呼ばれます。

「力を抜こう」と思っても、体はなかなかゆるみません。 ですが、一度ぎゅっと力を入れたあとなら、力は自然に抜けます。 この方法は、その性質を利用しています。 手、腕、肩、顔、脚と、部位を順番に進めていくのが特徴です。 「漸進的」はこの順番のことを指しています。

やりかた

基本は「力を入れる → 一気に抜く → ゆるみを感じる」の繰り返しです。

  1. 椅子に深く座るか、あお向けに寝ます。
  2. 手を握って5〜10秒力を入れ、一気に力を抜きます。そのまま15〜20秒、ゆるむ感じを味わいます。
  3. 腕、肩、顔、おなか、脚と、部位を変えて同じように繰り返します。

睡眠との関係

眠れない夜は、体に力が残っていることがあります。 体がこわばったままだと、休息のモードに入りにくくなります。 漸進的筋弛緩法は、その緊張を先にほどいておく方法です。 不眠に対する認知行動療法のなかでも、リラクセーション法のひとつとして使われています。
2026年に発表された研究のまとめ(31件のランダム化比較試験、計2,277名)では、 睡眠の質の改善と不安の軽減が報告されています。ただし、効果の大きさは人や状況によって差があります。 認知シャッフル睡眠法が頭の中の考えごとをほどく方法だとすれば、 こちらは体の緊張をほどく方法です。合わせて使うこともできます。

気をつけること

けがや痛みのある部位には、無理に力を入れないでください。 その部位は飛ばすか、力を入れずにゆるめるだけでもかまいません。 足がつりやすい人、強い肩こりや腰痛がある人は、力を弱めにして行います。 持病がある方や妊娠中の方は、始める前に医師に相談してください。 途中で気分が悪くなったら、すぐにやめてください。 これは医療行為ではなく、セルフケアのひとつです。 眠れない状態が長く続く場合は、医療機関に相談してください。

参考